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コラム-アメーバ経営-

経営会議の運用について②

経営会議マンネリ化の根本的要因
経営会議のマンネリ化の現象として、まず参加者が全体的に消極的な姿勢であり、「経営会議の目的や心構え」が意識されていないということが挙げられます。そして、これらを放任した結果が、会議のマンネリ化につながっているものと考えられます。
これらは、最も身近な問題点であるため、今回は、具体的な事例を挙げながら、その対策を探りたいと思います。

[事例1]:業績向上に対する思い・責任感の欠如
自ら仕事の範囲を限定する、不具合の原因を他責に求める。
営業の受注売上がマスタープランに満たないため、製造の総生産・時間当りもマスタープランを達成できない。
◆対策1:役割・責任を明確に認識する
この製造リーダーは、人の努力不足ばかりを原因として取り上げ、現象面のみを捉え、目標達成のために自分が何を考え行動するべきかという意識が見受けられないというケースです。やはり自部門の役割・責任を認識し、「何があっても目標を達成する」という意識を持つことを大前提に考えなければなりません。
◆対策2:目標達成に向けてチャレンジする素晴らしさを意識付けする
目標達成のために、部下や周囲の組織・人を動かして物事を進めます。目標にチャレンジすることの素晴らしさを経営トップ自らの経験に基づいてリーダーに意識付けを行います。
例えば、次のような話し込みが大切となります。
①現状認識
あなたの責任は、会社に対して約束した総生産1億円、時間当り5,000円の経営を実現することです。そして、その経営で得られるサービス・付加価値をお客様に提供して喜んでいただき、従業員の物心両面の幸福を実現することです。現状は、その責任が果たせていません。
②考え方と行動指示
営業が注文を取れないのなら、製造が営業に同行して受注活動をすればいい。注文が取れないということは、商品価値を出せていないか、営業活動が間違っているということです。それを変える努力をしなければなりません。もし、商品価値が出せていないのであれば、製造または開発の問題です。それを追及して改善案を出し実行することが、経営に責任を持つということです。あなたにラインリーダーとしての仕事を要求しているのではありません。経営者として話をしているのです。このことにチャレンジした方が面白いとは思いませんか!

このように、厳しいものへチャレンジしていくことに対してやりがいや喜びを感じられるようになって欲しいという熱意を伝えることが大切です。


[事例2]:なれ合いでその場を繕う会議、本音が出ない、発表に「思い」が入らない、業務報告が多い
◆対策1:目標達成への道をとことん検討する
消極的なリーダーに対しては、その場でアイデアが出るまで考えてもらいます。そして当日中に再度発表する場を与えます。アイデアとは、苦しみ考え抜く中から生まれてくるものです。逆に常に問題意識を持って考えていなければ、いざアイデアを出そうと思ってもでないものです。
また、例えば受注状況が思わしくなければ「今日の会議は、受注獲得の方策について全員で知恵を絞ろう」と会議内容を柔軟に変え、テーマを設定してさまざまなアイデアや対策を出し合う場を設けることも必要です。

このように、目標が実現するまでアイデアを出し続けることを求め続けることが大切です。そこまで考えるのが、数字・経営に責任を持つということであると気付かせることが必要です。


[事例3]:アメーバ経営本来の目的を見失う
「営業は、売上だけを見ていればよい。製造は、自分の意志ではどうしようもない経費が多いので、歩留まりと残業時間さえ意識していればよい」など(回帰現象)。
◆対策1:時間当りで経営を見る
しばしば、会議の中で議論の対象が限定されることが起きます。例えば営業は売上と粗利、製造は原価率、歩留まりといった従来からの管理項目に偏りがちになるケースです。しかし、時間当りをいかに上げるかという視点を持つことで、製造から営業への売上拡大への働き掛けが生まれてくるのです。
◆対策2:リーダーは経営者。能力を未来進行形で捉える
ラインとスタッフという考え方ではなく、全員が考えて行動する人の集団がアメーバ経営です。採算表の全てを見ることにより、自部門を経営する責任の認識や他部門に対する働き掛けができるようになります。
経営者マインドを持ったリーダーを多く輩出し、将来の発展の礎にしていくことこそが大きな目的であるはずです。
人間の能力が一番向上するのは、「人に教え指導する立場になった時」ということを考えれば、小集団とは言え、自分で企業を運営する経験を持つことは、能力向上のための絶好の機会です。だからこそ、その可能性を潰してしまわないようにすることが大切なのです。

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筆者プロフィール

【画像】松井 達郎

エグゼクティブコンサルタント
松井 達朗 (Tatsurou Matsui)
1985年京セラ入社。1993年にコンサルティング部門に異動。製造業をはじめ多くの業界に対して豊富なコンサルティング経験を持ち、2011年よりJALグループへの部門別採算制度導入プロジェクト総括責任者としてプロジェクトを率いる。現在ではアメーバ経営コンサルタントの育成にも力を入れている。


※出典:アメーバ経営倶楽部会員情報誌「アメーバ経営倶楽部」<合本>Vol.1-8
※記載情報は発行当時のものです。ご了承ください。