HOME > コラム-アメーバ経営- > 組織体制の管理、組織変更におけるポイント②

コラム-アメーバ経営-

組織体制の管理、組織変更におけるポイント②

組織変更に関する留意点
 実際に、組織のあり方を考えていく上においては、会社全体としての経営戦略的な面や人事的な面、またリーダーの人物面など、あらゆる観点で検討され組織編成されます。そのため、画一的に「組織における正しいあり方」を定義することは困難であるとも言えます。
 しかし、アメーバ経営を実践していく上において、最も基本となる考え方として、次の2つがあると考えられます。
 一つは、組織に属するメンバー一人ひとりが、自分達の取り組むべき事業の目的、意義を認識し、その活動成果が実感できること。もう一つは、会社全体が効率よくかつ円滑に経営を行なっていくために、各組織で担うべき機能や役割を認識されていることです。

 組織変更に関する留意点
 (1)自分達の取り組んでいる (あるいは取り組むべき) 事業の目的・意義は何か
 (2)例え小さな組織単位であっても、 必要となる機能が明確になっているか

(1)自分達の取り組んでいる(あるいは取り組むべき)事業の目的・意義は何か
 自分達が取り組んでいる事業の目的や意義がはっきりと認識できず、曖昧な場合、チームとして力を結集することはできません。
 部門リーダーは明確な方向性を自らの思いとともに伝えていかなければなりません。「私達が携わるこの仕事は、会社の中でも、このような意味を持ち、ひいては、世の中にもこのように貢献していくものである。だからこそ、今、これを何としてもやらなければならないのです」という意義、目的を明確に伝えることが重要なのです。もし、リーダー自身が曖昧な状態であれば、上司や経営トップにその方向性を改めて確認することも必要でしょう。
 特に、新しい組織編成がなされた時には、必ずその意義、目的が存在しているはずです。このことを、分かりやすくメンバー一人ひとりに伝えていくことで、チームとしての力が結集されていくのです。
 また、チーム内だけではなく、会社全体として組織新設の目的や意義を明確にして、盛り立てていくことも大切です。
 このようなことは、一見何でもないことのように思われがちですが、これがなされているのとそうでないのとでは、時間の経過とともに結果として大きな差を生むことになります。つまり、組織に属するメンバー一人ひとりが、何のために自分達がその事業に取り組むのかという動機付けが、事業を伸ばす活力となるのです。

(2)例え小さな組織単位であっても、必要となる機能が明確になっているか
 各拠点に営業所を置く場合、「○○営業所」という組織単位があります。もちろん3~4名しかおられない営業拠点であれば、わざわざ組織を細分化することもないと判断する場合もありますが、その拠点が持つ機能と担うべき役割についてはしっかりと整理・認識しておく必要があります。
 例えば、営業拠点にお客様へのメンテナンスサービスなどを行う担当者を配置することがあります。この場合、製造部門としての役割である「事業の付加価値の産出・向上」に関与していることになります。つまり、製造機能が存在しているのです。そのような意味では、そのサービスを通しての付加価値がどれくらい出ているのかを把握していかなければ、正しい経営の実態がつかめなくなります。そのため、採算を分けて捉えることが必要となってきます。
 また、営業拠点における管理機能、主に総務的な役割を誰が担うのかを明確にしておられないケースもよく見受けられます。京セラでは数名の拠点であれば、営業所長(拠点長)がその役割を担うことを明確にしています。営業所長は事業部門の営業責任者が兼務する場合が多いですが、所長が営業としての役割と管理としての役割を持たなければならないという認識をしているかどうかが、拠点のまとまりやモラル向上などの面での違いを生みます。

最後に
 ここまで、組織体制を管理・検討する上で重要と考えるポイントを説明してまいりました。
 言うまでもなく、経営において、組織をどのように考えるかということは大変重要な要素です。そのため、経営トップをはじめとする経営幹部の皆様、および各部門長が、組織体制をどのようにすべきかというテーマに対し、常に正しい判断をしていかなければなりません。環境に対して最適な布陣かどうか、組織の責任者はふさわしいか、といった組織変更の際に検討される重要なテーマと同様に、これまで述べてきた組織編成上のポイントから逸脱していないかというチェックを必ず行っていただきたいと考えます。また、各組織の責任者に対して、その役割を正しく認識してもらい、日々の活動を進めていただく必要があります。
 「組織にはじまり、組織に終わる」というほどに、組織編成のあり方によってアメーバ経営が「似て非なるもの」と化してしまう例はいくらでもあります。
 ここまで述べてきたことが、アメーバ経営の運用上、大変重要なポイントになることを再確認いただく上での一助になれば幸いです。御社のさらなる発展に向け、アメーバ経営が有効に活用されることを切に願っております。


関連商品

筆者プロフィール

【画像】清水 宏治

清水 宏治 (Kouji Shimizu)
1990 年京セラ入社、約25 年間、80 社以上のアメーバ経営コンサルティング、および独自のERP システム「The Amoeba」の導入コンサルティングを担当。導入企業様へ継続的にコンサルティングを展開する中で、真の優良企業創出のためにアメーバ経営を支える人事制度の重要性を痛感。2014 年より人事コンサルティング部 部長に就任。


※出典:アメーバ経営倶楽部会員情報誌「アメーバ経営倶楽部」<合本>Vol.9-15
※記載情報は発行当時のものです。ご了承ください。