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関連するアメーバ経営での実践例

採算意識を高める

「あなたがつくっているものはいくらですか?」

アメーバ経営をご導入されて間もない企業様であれば、部門別採算を出されるに当たり、いくらの部品を扱い、いくらの製品をつくっているのか、あるいはいくらのサービスを提供しているのかが見え出しておられるでしょう。導入から時間が経過されている企業様であれば、その間にさまざまな新事業を展開されたり、また新商品が生まれてくる中で、「いくらの部品を扱い、いくらの製品をつくっているのか、いくらのサービスを提供しているのか」という感覚が薄らいできている企業様も、もしかしたら多いかもしれません。ここでは、再度、「お金=金額」で経営を知ることの大切さをお話ししたいと思います。

これも私がお手伝いさせていただいた導入企業様の事例です。「現場にコストダウン、コストダウンと言っても、一向にコスト低減効果が見られない」。これが社長様のお悩みの一つでした。早速、工場をくまなく拝見させていただきました。各工程に置かれているごみ箱には、不要になったものなのか、部品やカッティングされた原反や、中には未使用の部品ではないかと思うものまで混在し、山のようになっておりました。

私は、その中の一部を取り出して、「これは、いくらするものなのですか?」とお聞きすると、「知りません」と言う。「では、あなたの工程の最終製品はいくらで売られるものなのですか?」とお聞きすると、これも「知りません」と言う。行きつくところ 、何に使われる何なのかさえ「知りません」というわけです。これで、コストダウンといっても、何を、どうすれば、いくらのコストダウンにつながるのかは、お聞きした方でなくても分からないでしょう。後に、山積みされた部品一つひとつがいくらなのかが判明すると、お聞きした方は「そんなに高いものなんですか?」と、驚きの表情を浮かべておられました。その後、全ての工程においてみるみるうちに、その山が減っていったことは言うまでもありません。

つまり、原料にしろ、副資材や製品にしろ、「もの」「数量」ではなく、私達にとって、最も敏感に価値の分かる「お金=金額」で実感される必要があるのです。これをなくして、コストダウン、コストダウンと言っても、コストダウンしなければならないという意識を植え付ける上では効果があるでしょうが、最終的にコストを低減したいという効果までは、期待できないでしょう。

ですから、「今扱っている部品はいくらで、最終的にいくらの製品をつくっている」ということを認識していただくことが、現場の皆さんに経営に参加していただく第一歩であり、そこで初めて現場に「採算」を問えるのではないでしょうか。今一度、現場に問うて見てはいかがでしょうか。「あなたがつくっているものはいくらですか?」と。答えが返ってくるでしょうか。